「お母さんの勝ちね」
「目が痛くてたまらない」
「お母さんやっぱり強いな、お母さんのサイコさに勝てるのは本物のサイコと偽物のサイコと偽物の元気と偽物の漫画家だけだな」
「工場に行ってパンをもらう時間だ」
「パンに行く前に目薬を取って、目薬を差しても痛みが止まらない目薬」
「いいよ」
「お母さん」
「なあに」
「何でもないよ」
「夕立だ外出れないや」
「窓閉めて窓」
「お向かいの低い所が浸水してる」
「日が差してきたね」
「夕立がひどい部屋中水浸しだ」
「息苦しいね水浸しだと」
「湿気が多いせいだ」
「なんでこんなみじめなんだろう」
「働いてないからでしょう」
「豪雨がすごくて上が向けないから目薬が差せない」
「飲み薬が全部溶けてちゃった」
「館の形の豪雨がちょうど家の中を通過しているんだな」
「お母さん今日休みなの」
「豪雨の幽霊だ」
「八月用の荷物よね」
「お母さんが勝負事なんかするわけがない!」
「すごい下痢したら何か全部なくしちゃった」
「また何か始めようかな、
とりあえず楽しそうでテンションで出来ること、
気持に余裕がないと出来ないこと、
一人で出来ること、人に迷惑はかけていいかも、
貯金も減ったし、お金かけないで出来ること、
とにかく楽そうでテンションで出来ること、
あんま自分でもしょうもないこと、
それで出来れば好かれそうなこと」
「草むらで下痢してる座布団を拾ってきたよ」
「臭くて何だか息苦しいな」
「しかめてないで笑ってよ」
「昨日出かけたけど歩道が塞がってて帰って来た」
「暑くて息苦しいな」
「妬ましいもん増えてくな」
「なんか新しく手軽にファンになりたいな」
「全身にセミの抜け殻くっつけて暮らしてるようで息苦しいな」
「気分は帰りの生首みたい」
「わっしょいわっしょいだよね」
「わっしょいわっしょいだよね本当にさ」
終わり