夕べ届いた短い手紙、
赤い封筒に音楽会の招待状が入っていた。
楽団は器用で知的な蟻の一座で、
飴で作った楽器の演奏を聞けるらしかった。
送り主は私のスピードで、
長い虹より向こうの距離からその日に帰って来るらしかった。
私のスピードが旅に出て一年、
狭い世界のどこかで蟻と出会い、他の誰かと出会い、
出会わず済ました人もいて、
知らない話も聞ける気がして、
スピードのない方の私は、今日も牛乳の投稿をしている。
自作の牛乳が出来るたび懸賞に応募するが、
だんだん背が縮んで行くような感覚にこの頃はよく出会う。
目線が下がると往来も怖いことばかりに思えて、
変化は波には熱すぎて、
楽団の演奏でも聞けば爪で詰まったインクも流れだすかもしれない、
暖かい元気が注がれるかもしれないと思って自分のスピードに会いに行くと、
全く私のスピードもげっそりした顔をしていた。
「どうした面白いぞご飯のせいか」
「一年間考えたが前と同じことをいうよ」
痩せたスピードは私にそういった。
「考えた、確認もした、大きな寒波に会わない場所で、
同じことしかいえないということを一年間かけて確かめたから、
もう一度いいでしょう、いつでも駄目だったけれど、
これだけとちゃんと確かめたから、
水色の声は爪からでない、黄色のごみ袋に空気入れるよ」
私はスピードを殴ろうとしたがスピードでかわされた。
仕方ないので口でいってそのまままっすぐ家へ帰った(幸い家はまだあった)。
泣き事で出来た私のスピードは旅を生きたのでもう私とは登記も違うが、
もう一度というのだったら(いうのだったらね)、招待されてる場合ではない。