解散のライブ映像を見ているとエアコンの風口から未来の自分が現れた。
話を聞くと人類の危機で挽回せしめるため銀河を超えてきたそうだった。
バタフライエフェクト効果って知ってるか、蝶が羽撃くと鱗粉が舞い、
山頂の後光がそれに当ると人に見えていたものが全体性を失うんだ。
この現象が今宵新宿の便所で起こりこれぞ第三次痴話核戦争の遠因、
この界隈で止められるのは二十五にもなって実家でフリーターしてるようなろくでなきお前ただ一人なんだ」
「頑張ります! 世界の為に!」
「まず首を吊れ! 母と姉がロンドン旅行に行って父の山へ行った今がチャンスだ!
犬は死ぬかもシレンが餌だけ撒いとけ! 最悪お前を齧って生きるさ!」
「首ですね! こうですね!」
「遺書は書いたか! ろくな本読んでねえんだ全部燃やせ!」
「全部ですね! いらないですもんね!」
「そうだもんよ! さあ早くベランダに!
今死なねえと十年後えらいことになるぞ! 全部ひっくるめたえられないのよさ!」
「YES!」
「souda!」
「最後何聞いたらいいですか!」
ジュディマリのチーズピザだろ!」
「成程!」
「手拭いは結び水を掛けとけ! 離れてしまわぬように!」
「泣きたくなってきました! 未来の自分的にやっぱり楽観負けしたんですね!」
「レッジャン!」
「ぐげえっ」